ハンガーができるまで

STEP1 材料の選定

鉄材・スチール材の種類

後加工の応用範囲の広さから鉄材を選択することがタヤでは多いいです。同じ鉄材でも商材の目的・デザインにあわせて材料を選定します。丸材・角材・平板などの形状があり、材質も強度・粘っこさ・表面処理等による違いがあります。

STEP2 製造工程

加工工程の流れ

今回紹介するハンガーの大まかな成形工程の流れは右写真、左側のようになります。(上→下へ加工していきます)線材を楕円に曲げ、中央部にフックを挿すためのコマを付け、ハンガーの形に成型します。完成した商品が右側の写真です。

STEP3 線材の曲げ加工・切断

直線機

コイル材(STEP1:右写真)を使用する場合は、材料を外周から解きほぐし、巻癖をとる機械で平坦にします。この工程でしっかりと直線を出しておかないと、後の工程でどんなに精度を出しても良いハンガーに仕上がりません。

STEP4 コマの製造

削りだし加工

円柱状の材料から左写真の機械を使い、コマを削りだします。削りだしならではの面取り(部材の角を落として斜めにすること)、溝切りの仕上がり具合がハンガーのデザインに高級感を生みだします。

STEP5 コマの溶接

抵抗溶接

削りだされたコマを、楕円型に成形した線材に電気抵抗を利用した電気溶接機で接合します。電気溶接とは電気を流し、その抵抗熱で金属を溶融させて分子原子レベルで融合一体化する接合法です。

STEP6 プレス成型

プレス成型

コマが溶接された部材をプレスし、ハンガーの形に成型します。手順としては、プレス機に金型をセットし、その上に部材を置き、対となる型を上から荷重を掛けて押すことで部材を変形させます。様々な金型(写真右)を使い分け色々な形状のハンガーを作り上げます。

STEP7 肩カバー溶接

肩カバー取付

ハンガーの肩先に肩カバーを取り付けます。この部材の役目は、洋服をハンガーに吊るした際、洋服の肩先のラインがきれいにディスプレイする事にあります。注文によっては木製の部材を取り付けることもあり、このハンガーの特徴的な機能とデザインとなっています。

STEP8 フック取付

回転フック取付

前の工程で出来上がったコマにフックを取り付けます。今回のハンガーではフックは回転式のため、溶接はせずにプレスで加締め(かしめ)フックがコマから抜けないように取付ます。

STEP9 メッキを付ける

表面処理

表面を異種の金属または合金の薄膜で被覆します。錆びないように保護したり、表面硬化を目的とし、高級感や質感を出すことも可能です。写真は電気メッキ槽です。水溶液中にイオンの形で存在する目的金属を電気エネルギーを用いて被覆層を形成します。

STEP10 検品・梱包作業

梱包作業

完成したハンガーは色ムラや加工不良がないか入念にチェックを行った後、箱に詰めていきます。本数の詰め間違いが起きないよう、重量を基に電子ばかりで本数を確認しつつ梱包されます。

STEP11 作業完了

製造工程完了

以上の作業工程を経て、ハンガーが製造されます。

STEP12 発送

路面店、テナント、百貨店、ブブティックのアパレル店へ納品

出荷されていくハンガー達の写真です。その後、お店に配送され、衣類を販売する為のハンガーとして店頭に並びます。

豆知識

● ハンガーの歴史
日本では昔から、着物を衣桁(いこう)という鳥居形の道具に掛け、風に当てて汗を乾かしていました。上等なものには蒔絵が施されたり、両端に金銅の装飾金具が付けられていたようです。 また棹(さを)の中央に吊り下げ用の紐をつけた衣文掛(えもんかけ)という日本独自のハンガーも使われていました。これらの直線の形状は、和服が直線裁ちの直線縫いである為このような形になっています。現在のようなハンガーはいつ伝わったのかというと、明治以降洋服が日本に普及するにつれて、まずコートハンガーが伝わったようです。しかし当初は趣味性の強いデザインが多く、実用的なハンガーが登場するのは大正時代になってからだそうです。現在では、木、金属、プラスチックのほか、アクリルや竹などもハンガーの材料として使われています。
● 鉄(スチール)とは
一般的に鉄と呼んでいるのはFeの他2%以下のC炭素を含んだ鉄の合金で、鋼または鉄鋼と呼ばれています。この炭素の含有率によって、純鉄、鋼(0.03~1.7%)銑鉄などと呼びわかれています。炭素の量が多くなると、鉄は硬さや耐摩耗性を増す一方で、もろい、つまり割れやすい、そして錆びやすいという欠点もあり炭素の量が少ないほど柔らかくなり粘り強くなります。
● 鉄とステンレスの違い
ステンレスは「STEINLESS STEEL」→STEIN: 汚れ・さび、LESS:ない、STEEL:鉄鋼、つまり錆びない鉄といことです。さびは鉄が酸素とくっつき酸化鉄となり赤くボロボロになる状態をいいますが、ステンレスは鉄の中にクロムとニッケルをいう金属を加えた合金で、鉄がさびる前にクロムが酸素とくっつき表面に酸化クロムの被膜ができあがります。化学的にきわめて安定している酸化クロムの皮膜が、ステンレスをさびから守っているので錆びにくいというわけです。 しかし、ステンレス材はめっき(表面を異種の金属または合金で被膜すること)を付けることができない為、色が素材の色のみに限られます。その点鉄は幅広く色々な種類のめっきや表面加工が可能なため、タヤでは通常ハンガーの素材としてに鉄を使用しています。
● 溶接(ようせつ)とは
溶接(welding)とは、2つ以上の部材を溶融、一体化させる作業です。接着剤による接着やボルトやリベットによる緊結ではなく、両固体材料間に直接的な原子間結合を生じさせることによって接合する方法を溶接といいます。部材を加熱したり圧力を加え接合部を融合させます。かつては鎔接や熔接の文字が利用されていましたが、「鎔」「熔」ともに当用漢字に入れられなかったため、同音の「溶」で代用表記されることになったそうです。また、溶接技術に属する金属接合法で最も古い歴史を持っているのは鍛接(たんせつ)です。二つの練鉄片を火中で1000度C以上(白熱)の温度で焼き、両片をともに槌(つち)でたたいて強い結合を形成させます。接合することが知られたのは、約3000年以前といわれ紀元前1350年ごろに造られた古代エジプトの王、ツタンカーメンの金の棺の中から、鍛接したと見られる鉄製の装飾品が発見されています。
● プレス機とは
プレス機とは、機械的な力で素材を変形させる機械の総称です。一般的な物としては、金属板を打ち抜き・変形させる板金プレス機があります。プレス機を使用するには、素材を設計形状に変形(打ち抜き)させるための金型が必要となります(金型の価格がプレス機本体より高い場合もある)。一般的な手順としては、プレス機に金型をセットし、その上に素材を置き、対となる型を上から荷重を掛けて押すことで素材を変形(打ち抜き)する。荷重は大きいと数万トンクラスになります。工作機械においては、プレス速度も重要になり、早いものでは1分間に数百回程度プレスできるものもあります。
● 鍍金(めっき)とは
鉄は生地のままではすぐに酸化し、さびが発生します。他の金属も表面に酸化物ができ、変色したり、腐食したりします。これらの現象を防ぐ為、さびや変色に強い種類の金属の薄い膜をかぶせることを「めっき」といいます。「めっき」は製品をサビから防いだり、素材の弱点を補い製品を磨耗から防ぐほかに、製品の外観を美しくする役割も果たします。日本に仏教が伝わったとき、仏像が作られましたが、その仏像を金色にするために金を上に塗ることが行われました。これを最初は「塗金」といっていましたが、時代の経過とともに「塗金」から「減金(めっきん)」にかわり、「めっきん」がつまって「めっき」となり一般に「めっき」と呼ばれるようになったそうです。

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